日々の投資研究14トルコリラ
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43157220R30C19A3FF8000/
本日の日経新聞の4面
トルコ、外貨準備急減
からです。
記事のポイントは
①JPモルガンの2人のアナリストがトルコ中銀のネットの外貨準備高が3月初めから3週間で247億ドルと100億ドル落ち込んだため、リラの売り推奨を出した。
②リラが22日に1日で6.5%対ドルで急落。
エルドアン大統領激怒「相応の代償を払わせる」と演説。
③リラの空売りを防ぐためにリラと他国通貨を交換する金利のスワップレートを引き上げ、27日には1200%になる。
④リラの調達困難なため空売りしていたヘッジファンドは買い戻し、リラの水準上がる。
同時にリラの調達のためトルコの国内株も売られる。
⑤トルコの2018年10-12月期は年率マイナス3%成長と不景気真っ只中。
今後も見通し不透明
です。
感想
リラの相場が乱高下してて、ど短期の売買以外は近づかない方が良いと感じる記事でした。
理由は
①外貨準備が3月だけで1/3飛んだ理由はおそらくリラを買い支えているため、外貨準備が尽きれば撃てなくなり、通貨を支えられなくなる。
②JPモルガンはアメリカ最大の銀行、つまりアメリカとトルコの金融戦争みたいなもの。
トルコのGDPは2018年で約7130億ドル、JPモルガンは資産規模で2兆5300億ドル、そもそも勝ち目のある戦いでは無い。
https://ecodb.net/country/TR/imf_gdp.html
③国内の人もリラとドルの交換をしないと貿易が出来ないのでスワップレートをいつまでも引き上げ続けられない。
今後スワップレートを正常化させる過程で世界中のヘッジファンドがトルコリラ売りを再開するかもしれない。
かつて1997年にアジア通貨危機が起こりました。
為替レートを国の体力より強いレートで固定させるために中央銀行が外貨準備のドルを売って自国通貨を買って支えてました
しかし、実勢より強いとみた世界中のヘッジファンドがカラ売りを続け、タイ、インドネシア、韓国、マレーシアなどが次々と弾が尽きて結果的に通貨の大暴落を招いてIMFが救済に入って沈静化しました。
リラの今後はまだわかりませんが、世界のヘッジファンドを止めるためには以下の方法しか無いと思います。
①トルコ自身が成長と信用を回復、インフレ率の改善をして買われる通貨になること。
②アメリカとの関係改善。
です。
インフレ率を止めるにはエルドアン大統領のバラマキ政策を止める必要があります。
インフレ率を沈静化して、改めて外資を導入したり、貿易赤字の改善に努めて外貨準備を増やす努力が必要です。
また、ヘッジファンドを止める力があるのはIMFですが、実質アメリカの傘下の金融機関なので支援を受けるにはアメリカとの関係改善が必須です。
エルドアン大統領がどこまで経済をわかっているかが疑問なので、「金利が高いから」とか「安いから」だけでは投資をしない方が良いと思います。
たまにわかって無い金融機関の人が勧誘してきても乗ってはダメなのと、売買もど短期にして、金額も小さい方が無難だと考えます。