現役金融マンM氏の金融・投資本研究

投資に関する情報・書籍の感想を発信しています。投資に関する書籍は著者によってスタイルは様々です、私のブログがきっかけで本を読み、独自の投資スタイルを学ぶきっかけになればと思い始めました。

日々の投資手法研究⑪

www.nikkei.com

現役金融マンMです。

日々の投資研究です。

日経新聞3/27(水)の11面からです。

記事のポイントは

景気悪化時備えてに新しい緩和策を検討している

なぜ→今の政策金利が2.5%と低い水準で次の景気後退期に下げても効果が小さいため

検討されている内容は

金利を操作する対象を今のFF金利だけでなく、長期金利も適応する

②マイナス金利社債の買い入れ策も検討する

③物価目標を2%としているが、見方を「平均」2%に変える。このことで景気回復期に多少インフレが2%をオーバーしても平均すれば緩やかになるため引き締め策をすぐに行なわなくてよいことになる。

④6月に経済学者などを招いた大規模な討論会を行い、今後の方針を決める

です

感想

これは結構大きな記事ではないのかと思いました。

世界の株式市場を動かしているのは間違いなく米国です。世界の時価総額の55%を占めています。

つい、昨年末までは金融引き締め政策で金利を上げて、国債住宅ローン担保証券の買い入れを停止して世間に回るお金の量を少なくしていたのが、たった3ヶ月で大方針転換です。

株価が下がったのがよほどパウエル議長には応えたようです。

また、再選を狙うトランプ大統領からみても株価は重要なので圧力がかかっているかもしれません。

今後の展開としては、景気指標の悪いのが出れば出るほどなんだかんだと言い訳しながら金融を緩和する方向にもっていく。

緩和策が足りなければ今は国債住宅ローン担保証券しか購入していないFRBが一般企業の社債を購入たり、幅広い年限の国債を購入したりして市場金利を引き下げる

結果、住宅ローン金利(今は5%を超えています)も下がるようにする。

などが考えられます。

そうなるとドル安になるのに加えて大量に余った資金が株式市場に流れ込む展開になるかもしれません。

また、そうなってしまうと、ドル安になるので日本や欧州は対策として緩和策を繰り出して自国通貨が高すぎる状態になるのを防ぐと思いますので極端な円高にはなりにくい一方でまた、世界に緩和マネーがあふれかえる可能性が出てきます。

今にして思うと、マイナス金利社債買い入れ、長期金利のコントロールとかは今の日銀の政策をかなり参考にしています。

日本がアメリカの実験台だったのかもしれません。

いずれにせよ、景気悪化と不安材料ばかりが多い今の株式市場ですが、FRBの政策の転換と今後の発言によっては「不況下の株高」みたいなことが起こりうるかもしれないと思いました。

悲観しすぎは禁物かもしれません。