日々の投資手法研究⑩
現役金融マンMです
日々の投資手法研究です
日経新聞3/26号朝刊21面 一目均衡 数字にできない資本主義
からです。
記事のポイントは
舞台は鎌倉
鎌倉に本拠を置いている企業カヤック(3904)の取り組みの紹介です。
社長の柳沢大輔社長は「地域の住民に株主になってもらう仲間づくり」のため株主総会の場所にここを選んだ。
「地域資本」という概念を提唱、人のつながりを「地域社会資本」、自然や文化を「地域環境資本」と位置付ける。
昨年4月に鎌倉勤務の人々向けに「まちの社員食堂」開設、鎌倉に拠点を設ける企業が優先的に使える「まちの保育園」も開設。
地域で使える貯めておくだけでは価値が下がり、他人のために使うと増える仮想通貨を開発、流通させている。
最後に今年の株価は日経平均が5%上昇の中で21%上昇していると紹介されています。
感想
最近よく耳にする「みえない価値」に注目した記事です。
カヤックの取り組みや考え方はとても素晴らしいし、継続してほしいと思います。
ただ、これを読んで見えない価値に着目して投資を行って自分も儲かるにはかなりハードルが高いとも同時に感じました。
企業の株価は業績で左右されます。いくら素晴らしい取り組みを行っていても業績が伴わなければ株価は売られます。
記事では年初からの日経平均との比較しか書いてませんが、株価は2017年に1748円を付けた後に下がり続けていて、年初は600円程度でスタートしていて、現在が764円です。四季報によると、今期は減益、損益均衡圏です。
残念ながら、去年の株主総会で理念に共感して投資をしていたら減益決算で株価が下がって損失を抱えている状態です。これでは理念に共感できない株主もいると思います。
見えない価値が素直に評価されるためにはやはり、結果の数字は必要だと思います。
難しいのは、株価は数字だし、業績も数字だということです。
一方で数字のためには何をしてもいいかというと東芝の不正会計の結果、ライザップの見かけの数字を作るための買収の結果をみると明らかで化けの皮はいずれはがれます。
理念のない会社が目先に走って作った数字はごく短期間で株価上昇を招きますが、長期では必ずダメになります。
一方で、この取り組みが評価されるには株主が同じように共感して株を買う行動に出るかも必要です。
今後、カヤックの様に地道な取り組みを行っている企業がしっかりと業績を伴って株主の支持を受けて上昇するようになってほしいと思いました。