現役金融マンM氏の金融・投資本研究

投資に関する情報・書籍の感想を発信しています。投資に関する書籍は著者によってスタイルは様々です、私のブログがきっかけで本を読み、独自の投資スタイルを学ぶきっかけになればと思い始めました。

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方 / 渡部清二 全体から見た投資手法分析

読んでこの本から感じたこと、今後投資をするにあたって活用できそうな手法、考え方について書いてみます。
この本は、株式を投資しようと考えている方や株式投資を実際行っている方向けに書いてある印象です。

著者は渡部清二さん野村証券で23年間勤務され、支店勤務や本社で機関投資家向けに日本株の販売を行っていた方です。

20年以上四季報を毎号読んで分析しているそうで、四季報マニアですね。

ここだから書けますが、世の中の証券会社の人はほとんど四季報を読んでません

辞書代わりになってしまってます。

そんな中では非常に珍しい方だと思います。

10倍になってくれそうな株式を探そう!その考え方をわかりやすく書いてくれてます。


この本で特に参考になるポイントは
第2章の
①売り上げの増収率が20%以上を継続している
②営業利益率が10%を超えている
③オーナーで筆頭株主である
④上場から5年以内の企業である

これらが10倍になる可能性を秘めている株式の条件だそうです。

これを基準に四季報オンラインでスクリーニングを行う

そして、検索の結果出てきた会社を四季報で読んでみる
将来も伸び続けると思えるか、増収率が継続できそうに思えるか。
現在の株価はあまり過熱していないか。
を見て投資するかどうかを決めるといいと思います。
また、保有銘柄数は本の中では20銘柄位に分散投資と書いてあります。

投資完了後は増収率継続なら保有、そうでないなら売却でいいと思います。
また、買ってすぐに何倍にもなることを焦らないほうがいいです。
本の中で10倍に過去なった株のことが複数銘柄書いてありますが期間は数年かかってます。ところが実際に株に投資してから1年保有するのも結構忍耐いります
とりあえずなればいいな位の感覚で不安にならない程度の資金で付き合ったほうが成功すると思います。

会社の時価総額も重要なポイントだと思います。
日本の株式市場の規模が大体600兆円ですので1兆円も2兆円もしている会社が10倍になるのは難しいと思います。
時価総額5000憶円以上が大型株、1000憶円以上が中型株、それ以外の1000億円未満の株式を狙うといいと思います。本の中では500億円、もしくは300億円未満の株式を狙うとよかった結果が示されてます。

よく、小さい会社は怖いと言って手を出さない人が多いですが、私に言わせると時価総額ばかり大きくて
会社も伸びないところのほうが上がる見込みもなくて下がることは可能性が大きくて怖い気がします。
実際電力株や銀行株といった株式はいまでこそ言われませんが、10年位前までは資産株と言われて、持っていれば安心みたいな神話がありました。

今は見るも無残な株価になって回復の見込みはありません。

もちろん、小型企業は業績のぶれも大きいので継続してチェックすることが重要だと思います。

また、株式指標でPER(株価/1株利益)の倍率の高低については気にしなくていい と書いてありました。これは私みたいな証券営業に携わる者には衝撃でした。

低いほうがいいと思い込んでましたので。。

この本は短期でもうかる銘柄を今すぐに教える話とかではないです
ただ、長く株式と付き合う付き合い方を教えてくれる本なので読んでて個人的にはとても参考になりました。
この観点を全国の証券会社の営業の人が持ってくれたらいいのですが、残念ながら持ってしまって中長期でよい銘柄を推奨するやり方に徹してしまうと証券会社は売買頻度が減ってつぶれてしまうので期待しないほうがいいでしょうね。

お付き合いいただきありがとうございました。
今後も投資や経済に関する書籍を読んではまとめてアップして感想を述べてゆきます。
投資の手法は様々です。いろいろ解析してゆきます。
今後もよろしくお願いいたします。