現役金融マンM氏の金融・投資本研究

投資に関する情報・書籍の感想を発信しています。投資に関する書籍は著者によってスタイルは様々です、私のブログがきっかけで本を読み、独自の投資スタイルを学ぶきっかけになればと思い始めました。

日々の投資手法研究58 #訪日客消費 #インバウンド #GDP #地方創生 #サービス低下

訪日客消費、地方潤す 東京超える1.8兆円 44道県の昨年 広域連携で誘致結実 :日本経済新聞

記事について

観光庁がまとめた訪日消費額は4.8兆円と推計、東京が約1.8兆円、大阪約0.8兆円、京都約0.3兆円とゴールデンルートの消費額が約3兆円と圧倒的

②ただ、その他44道県の消費額が大幅に伸びてきており、1.8兆円に到達

名古屋空港から北陸に向かう「昇竜道」(9県で3240億円と3年で41%増)や瀬戸内沿岸の「SETOUCHI」(7県で1585億円と3年で78%増)など新しいルート作りが効果が出てきている

感想

前回の日々の投資手法研究で金融機関、特に地方銀行の苦悩を描きましたが、インバウンド消費は解決策の一つになると考えられます。

総消費額4.8兆円は日本のGDP約560兆円の0.9%、個人消費がGDPの55%の日本においては個人消費額の1.5%に相当します。

日本の経済成長率が毎年1-2%程度なことを考えるといかに巨大か、そして今後ももっと積極的に受け入れるべき対象だと思われます。

なぜか、答えは明快です。

日本は少子高齢化で人口減少は止まらない、消費は減ります、しかし、観光客はお金を落としてくれるし、それに対応した施設もいるし、雇用も生まれる。しかも都会ではなく地方にです。

日本人の後ろ向きな意見としては毛嫌いする人もいますが、地元を再生させる気持ちがあるならば乗るべきだと考えます。

これに銀行融資も行いやすくなります。

最近では外国人が日本人以外に日本の魅力を発掘し、我々では観光地でなかったか所が急に観光地化する現象まで起きてます。日本人こそ住んでいる日本の魅力再発見に努めるべきです。

課題

しかし、沢山受け入れるのは良いですが、課題もかなり多くあります。

京都などいわゆる観光地で起きていることとしては、

「ガイド役の不足、交通手段の不足」などがあげられます。

こうした目に見えるインフラ不足の早急な解消が望まれます。

また、受け入れる日本人の意識改革も求められます。

だまっていてもお客さんが来てくれる状況が続くため「サービスの低下」が目立ちます。

日本人はアジア人に対して過去の歴史から日本のほうが進んでいる、だからある程度低いレベルの接客やインフラ、食事でも大丈夫と勘違いしている人が一定数、しかも結構多数存在します。

例えば私が個人的に聞いた話だと、大阪のある有名なすき焼き店があり、高級店で外国人も多く来店しているそうです。

そこに昔から通う日本人の常連のお客さんが、予約を取っていくと高級肉が出てきて応対もよいのですが、その方が友人と急に訪問することになったため、予約を取らず、何も言わずに外国人客に交じって店に行くと肉は普段の常連客に出す肉と別のレベルダウンした肉を出しており、サービスも悪く、クレジットカードお断り(店員が機械を使えないから面倒で断っている様子、機械はレジにあった)と最低のサービスだったとの話をその方から聞いたことがあります。

その方は昔からの常連でしたが、実態を見て外国人に対して失礼だと嘆くとともに2度と行かないともおっしゃってました。

お店は一時外国人向けの案内で有名になったものの、驕ったために常連客も消え、外国人もこれではリピーターは来ないでしょう。近いうちに閑古鳥が鳴くことになると思われますが、店主は今が儲かるから気付いてないのでしょう。

これはほんの一例ですが、実際日本に来てがっかりして帰る外国人はかなり多いのではないでしょうか

 

外国人から見ると日本以外にも日本と同等かそれ以上の観光地は世界各地に沢山あります。また、日本にやってきている外国人は日本人より所得が高く、母国でも、海外でも上級のサービスやもてなしを受け、目の肥えている人々が数多く含まれていると思います。

食事の質がどの程度で、接客レベルがどの程度なのか一発で見抜いていると思います

2度と失礼な対応をした店にはいかないし、日本に2度と来なくなるかもしれません。

 

最近の報道では、良い取り組みやリピートの特集などがあり、私も希望を持ってみていますが、放っておいても観光客がやってくる今の状況に胡坐をかくと、かつて地方の観光地が同様のことを行い、結果飽きられて旅館やホテルがどんどん倒産した歴史の繰り返しにならないようここでもう一度日本人総がかりでチェックを行う必要もあります。

これを繰り返して成功すれば金融だけでなく、日本再生の大きな起爆装置の一つになると考えます。

逆にこの大きなチャンスを生かせない時はただの衰退国家に成り下がると思います

ぜひ生かしたいものです。チャンスは2度とやってきません