現役金融マンM氏の金融・投資本研究

投資に関する情報・書籍の感想を発信しています。投資に関する書籍は著者によってスタイルは様々です、私のブログがきっかけで本を読み、独自の投資スタイルを学ぶきっかけになればと思い始めました。

日々の投資手法研究50 #ライザップ

ライザップ瀬戸社長に聞く 黒字未達なら「辞任の覚悟」 :日本経済新聞

 

記事のポイント

RIZAPグループの2019年3月期連結決算(国際会計基準)は最終損益が193億円の赤字(前の期は90億円の黒字)だった

買収した企業の再建がうまくいかず大幅に損失処理を行ったのが原因

②「今期、営業黒字化できなければ私は辞める覚悟でやっていく」と瀬戸社長

③本業のジム事業は好調維持

株探のライザップ記事

RIZAPグループ【2928】、今期最終は黒字浮上、2期ぶり1円で復配へ | 株探ニュース

事前には最終利益70億円の赤字予想が193億円に拡大しました。

さて、ここでライザップってCMでは良く知ってますが、グループとなるとどんな会社があってその関連企業はどんな業績なのか、また、2020.3黒字化は実現しそうなのか、もし黒字化するのであれば買える株になるのかを考えてみました。

 

まず、ライザップグループ企業一覧です

コード 銘柄名 株価

時価総額

(百万円)

保有比率

(%)

特色
3140 イデアインター 1023 15055 48.3 インテリア雑貨や旅行用品等の企画、卸・小売
3185 夢展望 399 4687 69.2

10〜30代女性向けの衣料品ネット販売

3344 ワンダーコーポ 744 5624 75 ゲームソフト、CD、文具販売、中古販売
4650 SDエンター 425 3823 59.3 元北海道ボウリング、フィットネス集中へ
4833 ぱど 206 4120 71.1 無料情報紙を発行
7448 ジーンズメイト 358 5764 57.1 ジーンズ中心のカジュアル専門チェーン
7577 HAPiNS 201 3015 69.3

インテリア雑貨・生活雑貨専門店を全国展開

8105 堀田丸正 85 5069 58.6 和装、寝装、洋装、意匠撚糸販売
9980 MRKHLD 187 18942 54.2 女性用体型補整下着、化粧品、サプリ等販売
           
2928 RIZAPグループ 272 151291    

以上で本社以外に9社の上場会社があります

RIZAP、赤字193億円 前期最終、構造改革費膨らむ 既存店の会員増カギ :日本経済新聞

この記事を読むとライザップの本業のジム事業は

会員数は13万人と2.4万人増加、売上は413億円と前期比26%増加とかなり好調です。痩せたい、鍛えたい、「結果にコミット」はここではきちんと機能してます。

しかし、なんでこんな赤字になったんだ?と思い、まず、単純に関連企業の決算をだしてみます。

銘柄コード 銘柄名   売上 営業利益 経常利益 最終利益 一株利益 一株配
3140 イデアインター

連19.6予

14,600 680 480 300 20.9 4
3185 夢展望  19.3実

6,917

-179 -253 -268 -23.7 0
3344 ワンダーコーポ

連19.3

72,117 453 451 -5,159 -695.8 0
4650 SDエンター

連19.3

7,038 -204 -324 -190 -21.3 0
4833 ぱど

連19.3

7,997 -197 -172 -523 -27 0
7448 ジーンズメイト

単19.3

8,579 91 105 19 1.4 0
7577 HAPiNS

単19.3

9,706 133 64 -57 -3.9 0
8105 堀田丸正

連19.3

6,665 -437 -419 -465 -8.3 0
9980 MRKHLD

連19.3

18,540 381 272 -1,856 -18.3 1
    単純合計 152,159 721 204 -8,199    

イデアだけは予想数字は四季報予想数字を使ってます。

単純に合計すると1500億円以上の売り上げがあるものの80億円以上の損失を計上しており、グループに貢献していません。

親会社の決算に合わせて下方修正を6社が出してます。

堀田丸正、MRKホールディングス、SDエンターテイメント、HAPiNS、夢展望、ワンダーコーポです。

下方修正前の純利益と下方修正後の純利益では約48億円損失が膨らんでました。

理由は、様々ですが、本業の不振に伴い、含み損を一掃したという理由が目立ちます。

では、今後の予想ですが、以下の通りになります。

銘柄コード 銘柄名   売上 営業利益 経常利益 最終利益 一株益
3140 イデアインター

連20.6予

15,500 800 640 400 27.9
3185 夢展望

会20.3予

9,184 190 105 83 7.1
3344 ワンダーコーポ

会20.3予

61,082 1,510 1,470 781 103.3
4650 SDエンター

会20.3予

4,800 160 130 70 7.8
4833 ぱど

会20.3予

12,650 115 110 65 3.3
7448 ジーンズメイト

会20.3予

8,850 175 185 85 5.3
7577 HAPiNS

会20.3予

9,760 310 240 10 0.7
8105 堀田丸正

会20.3予

6,445 40 33 4 0.1
9980 MRKHLD

会20.3予

21,100 513 396 208 2.1
    単純合計 149,371 3,813 3,309 1,706  
               
2928 RIZAPグループ

会20.3予

225,000 3,200 1,800 500 0.9

一応、全社黒字化ということになってます。

イデアインターだけ決算時期が違って四季報予想、その他は会社予想でとってます。

では、その実現可能性ですが、四季報コメントと、私なりの要約をしてみました。

銘柄コード 銘柄名 コメントと要約
3140 イデアインター バック子会社フル寄与
3185 夢展望 宝飾子会社買収
3344 ワンダーコーポ 3年連続赤字、ただリユース底堅い
4650 SDエンター 保育園、オンラインクレーンゲーム
4833 ぱど 移住事業、継続前提に重要事象
7448 ジーンズメイト 訪日客需要旺盛、継続前提に重要事象
7577 HAPiNS 売り場改革、継続前提に重要事象
8105 堀田丸正 原料自社調達など経費低減
9980 MRKHLD 店舗増へ積極投資
     
     
2928 RIZAPグループ 経費50億円削減

 

ちょっと目立つのが「継続前提に重要事象」で3社が該当します。

また、ワンダーコーポは関連会社で一番回復予想ですが、ここ3年連続赤字なため本当に信用していいのかが私なりに疑問です。

イデア堀田丸正は業績的に問題は感じられませんでした。

あとは、今期の業績コメントに本業の縮小が目立つ記事が多く(イデアインターだけ例外です)、本当に会社予想を達成できるのかが不透明だと感じます。

SDエンターなどはおよそ現在の事業と関係なさそうなところに投資を行うのでやや不安を感じます。

総じて関連会社の回復に対しては不安を感じます。

また、グループ本社のRIZAPですが、50億円の経費削減で最終利益5億円なのでこれも黒字化するのかは関連会社の寄与がカギだと思われます。

また、黒字化しても1株利益が0.9円なのでPER300倍とかなり割高になります。

ちょっと長い目でみて、本当に子会社の業績が一つ一つ実績を会社予想通りにあげられるのかよく見てからでないと投資しにくいなぁと感じられる内容でした。