現役金融マンM氏の金融・投資本研究

投資に関する情報・書籍の感想を発信しています。投資に関する書籍は著者によってスタイルは様々です、私のブログがきっかけで本を読み、独自の投資スタイルを学ぶきっかけになればと思い始めました。

日々の投資手法研究46 #日立製作所

日立、営業益1兆円めざす 新中計発表 IoT軸に欧米勢追う 脱「内弁慶」へ海外展開課題 :日本経済新聞

 

日経新聞からです 2021年の中期経営計画や四季報から見て日立株がどんな評価ができるかを考えてみました。

日立製作所は10日、2021年度までの中期経営計画を発表した。連結営業利益で1兆円(18年度は7549億円)を目指す

②18年度で約9兆4800億円だった連結売上高を年3%伸ばし、3年後に10兆円以上とする。8%の売上高営業利益率も10%超に引き上げる

③柱となるのがIoT、日立は16年から「ルマーダ」という名称でIoT事業を開始

東原社長は現在1兆円規模の売り上げを3年後に2兆円にしたいと話した

④IoTなどへの投資で、日立は51%の海外売上高比率を6割超に引き上げる考え

⑤日立は経営指標に投下資本利益率(ROIC)を採用、10%を目指す

時価総額でみると日立の約3.5兆円に対し、シーメンスは約11兆円、IBMは約13兆円

3年後の中期経営計画が達成されたとして考えると

四季報オンラインのデータを見ると

2018.3 実績 売上9.36兆円 営業利益5860億円 一株益376円

2019.3 実績 売上9.48兆円 営業利益7549億円 一株益230円

2020.3 予想 売上9   兆円   営業利益7000億円 一株益450円

2021.3 予想 売上9.3兆円   営業利益7230億円 一株益464円

 

日立製作所のHPの中期経営計画の数字です

2021.3 中計 売上10兆円 営業利益1兆円  一株益618円

営業利益は1兆円の時に想定で約6000億円の純利益と考えてます

発行済株式数が約9.7億株なので割って一株利益を算出しています

これによると

営業利益伸び率は四季報オンラインでは

2018→2019年が約29%、2019年→2020年がマイナス、2021年→2021年が3.3%

四季報オンライン上の営業利益予想の推移と中期経営計画の目標に乖離が見られます

売上高営業利益率10%を目指すとありますが、現在は6.2%、2019年予想でも8%弱です

少し中期経営計画の数字を達成するには現在の新事業の成績がどのくらい伸びるのか、もしくはここ数年で事業買収なども進めて買えないといけない部分が大きい印象はあります

2019/05/10(金)株価は3683円で時価総額は約3.5兆円です

2020.3予想数字で見てPSRは0.39倍、PERは8.2倍、

営業利益伸率はマイナスです

2021.3予想数字で見てPSRは0.38倍、PERは7.9倍、

営業利益伸率は3.3%

PEGは2018年から2019年の実績値を扱わずに2019年予想と2020年予想の平均営業利益伸率1.65%(マイナスは0とカウントしてます)で出すので

2021.3PERで見ると4.8倍になります

ただ、1株利益で見るとかなり変わります

ここはPEGは判断基準に使わないほうがいいかもしれません

四季報オンライン上の数字の評価で見ると、成長性にはあまり期待ができないですが、

指標上は非常に割安感はあります

日経平均の平均PERが12倍程度なのでもう少し評価されてもいいのじゃないかなと思えます

もちろん組み入れ銘柄なので日経平均の上下には左右されます

 

仮にですが中期経営計画が達成された場合

PSRは0.35倍、PERは6倍になります

営業利益伸率は2020.3→2021.3で43%増益と驚異的な数字が出てきます

となると、2019.3→2020.3を0として、2020.3→2021.3の42%増益の平均を出すと21%なのでPEGは0.28倍とものすごく割安な数字が出てきます

PERで見ると東証一部銘柄のPERは大体12~15倍程度での評価が多いので現在の株価より2倍が妥当となります

PSR1倍とみると現在の3倍

PEGでみると1倍まで上昇とみても4倍です

もちろん中期経営計画ですので実際に実現できるかは不透明ですが、期待して保有するのも良いと思います。

もう少し株式市場で評価されても良いのではないかな?と感じる銘柄でした