現役金融マンM氏の金融・投資本研究

投資に関する情報・書籍の感想を発信しています。投資に関する書籍は著者によってスタイルは様々です、私のブログがきっかけで本を読み、独自の投資スタイルを学ぶきっかけになればと思い始めました。

日々の投資手法研究43 #キーエンス

キーエンス、高収益の秘密 :日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO44479330X00C19A5TJ3000/

記事のポイント

2019年3月期に7期連続で最高益を更新した

①従業員の平均年収は2088万円(18年3月期)

②営業成績ランキングは日々公表、悪いと個別面談も

③営業車にGPSが付いており、目的地に10分遅れると上司に問いただされる

④根性頼みのモーレツ営業ではなく、緻密な分析を基にした「データ営業」が特徴

⑤他社の追随を許さない独自技術は持たないが、利ざやが大きい。19年3月期の売上高原価率は18%と、59%のオムロンを大きく下回る

⑥単品をカタログ販売するのでは無く、全世界の営業が各地の工場に足繁く通って集めたニーズカードを基に顧客ニーズを的確に把握し、ソフトと組み合わせて付加価値の高いシステムを販売する。

⑦開発者は「まだ世にない機能」をキーワードに開発を進める

⑧今後は中国企業にも食い込んで行く

感想

株式市場で輝いているキーエンスです。

今の働き方改革でみたらどうでしょう?

果たしてブラック企業なのでしょうか?

私にはそうみえません。

元々厳しい会社だと言うのが世間に認知されている事、報酬が平均2000万円と高い事、たくさんのスキルを身につけられる事から考えるとやる気がある人には魅力的な会社だと思います。

また、「特別な技術が無いけど高収益」がキーワードだと思います。

全世界の営業の顧客ニーズを共有し、担当顧客にメリットある提案を行い、具体的に製品やシステムを開発、構築されたら企業にとっては他社に無いオーダーメイドの製品なので付加価値は高く、価格が高くても購入します。

また、これについてこれる顧客も勝ち組企業に自然となると思われます。

私も営業ですが、全担当者の顧客ニーズを共有して新しい金融商品を開発する気運はありません。

担当者個人や一部組織内だけで囲って、むしろ教えたく無い文化です。

皆が真似して出来る訳では無いですが、今一度営業の本質とは何かを考えさせられました。

データをまとめたり、提供する事はAIができますが、顧客ニーズを聞き出し、的確に把握する作業は人にしかできません。

また、そこまで話しても良いと思える担当者になることもAIにはできません。

最後にキーエンスのPER、PEG、PSRをチェックしておきます。

四季報オンラインからとってます

株価2019/5/8 66830円、時価総額8.1兆円

2018.3積 売上5268億円、営業利益2928億円、一株益1737円

2019.3予 売上6000億円、営業利益3340億円、14%増、一株益1979円

2020.3予 売上6450億円、営業利益3640億円、9%増、一株益2111円

2020.3で見るとPERは31.6倍、ここ2年の営業利益増加率が平均11.5%なのでPEGは約3倍です

PSRは時価総額8兆円に対して売上6450億円なので12倍を超えます。

指標上ではちょっと買い辛いです。

相場が崩れてPEGが2倍割れくらいしてくれたらまた考えたいと思います。