日々の投資手法研究41 #千代田化工建設 #日揮
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO44446200V00C19A5MM8000/
記事のポイント
①三菱商事はプラント会社大手、千代田化工建設の経営再建を支援する方針を固めた
②日本が官民を挙げた原子力発電所の輸出が後退したなか、千代田化工の再建は日本のインフラ輸出戦略の試金石となる
③千代田化工は18年に米国の受注案件でハリケーンの復興需要などによる人手不足により工事が遅れた。熟練工の確保の追加費用などが響き、18年4~12月期に1281億円の最終赤字になった
④三菱商事は1990年代後半と08年にも経営危機の千代田化工を支援した。3回目の支援に乗り出すのは、日本勢が強いLNGプラントの輸出が有望とみているからだ
⑤業界で大型プラントを建設できるのは千代田化工と日揮、欧州テクニップFMC、米ベクテルの4社
⑥LNGプラントは原発に代わるインフラ輸出の要となりうる。ただLNG事業は10年単位を要し、市況や資源国の政策に振り回される恐れがある
感想
株式投資を行う人からするとまたか、という印象だと思います。
世界でも優秀な技術があるが、稼ぐ力が弱く、下方修正常連企業の印象があります。
同業として紹介されていた日揮と比較してみます。
四季報オンラインから
6366千代田化工建設
2019/04/26株価352円時価総額912億円
2018.3積売上5102億円、営業利益➖123億円、一株益24.9円
2019.3予売上4000億円、営業利益➖865億円、一株益は日経新聞の最終赤字1500億円を元にすると➖576円、一株純資産が112円なので大幅に債務超過です
PER、PBR、PEG、それぞれ機能しません。
PSRだけ計算できます、0.23倍とこれだけ超割安です
1963日揮
2019/04/26株価1588円、時価総額4113億円
2018.3積売上7229億円、営業利益215億円、一株益66円
2019.3予売上6400億円、営業利益220億円、一株益48円
2020.3予売上6600億円、営業利益240億円、一株益60円
2020.3予で見ると、PER26.5、営業利益成長率9%、PEGは2.95倍、PBRは1倍、PSRは0.62倍
です
比較対象がPSRしかないので、これだけで見ると千代田化工に軍配が上がりますが、稼ぐ力が弱くて今後同様の失敗をしそうで気になります。
プラント株なら割安感は余りないですが日揮になると思います。
新聞にもありましたが、千代田化工は技術はあるようです、ただ、同じ業界でありながら日揮との業績面での違いがありすぎます。
私は業界の人では無いので四季報からみるしか無いですが、株主構成にポイントがあるように思います。
千代田化工の筆頭株主は三菱商事で33.3%です。想像ですが、三菱商事が仕事を持って来てくれる環境ではないかと思われます。
ならば自ら営業して開拓する必要がない代わりに多少無理があった仕事でも三菱商事絡みなら受けざるを得ない環境かもしれません。
また、今回の様に金融支援を三菱グループで受けられる環境なので、お金の管理が甘い可能性が考えられます。
日揮は系列企業では無いので緊張感持って経営をしているので同じ環境下でも業績が全く違うのでは無いでしょうか。
企業を見る際に株主構成は経営者の環境を見る上でポイントの一つだと思います。
順序は1.オーナー企業2.独立系3.系列企業です。
今回の金融支援で倒産は免れ、国策企業でもあるので短期的には株価は上昇しそうですが、長期でみるとまた同じ失敗を繰り返しそうな印象です。
今後の経営改革、業績面で会社予想をしっかりクリアできるかを確認できるまで私は買いたく無い株だなと感じました。