日々の投資手法研究35 ESG投資
企業の報酬、ESGの波 偽ニュース対策・温暖化ガス削減…目標達成を後押し :日本経済新聞
記事のポイント
「ESGマネー」世界で31兆ドル
①世界持続的投資連合(GSIA)によると、2018年のESG投資額は世界で約31兆ドルと16年比で34%増加
②地域別のESG投資額は欧州が約14兆ドルと2年前から17%伸び、米国が38%増の12兆ドルだった。日本は2兆ドルと4.6倍に膨らんだ
企業の報酬、ESGの波
①米フェイスブックはフェイクニュース対策の貢献度などを従業員の賞与に反映させる。日本でもオムロンやコニカミノルタがESG評価を役員報酬を算定する基準に組み入れている
②「温暖化ガスの削減量を役員を含む3万6千人の報酬の要因に含めます」。英エネルギー大手のBPもこんな方針を発表済みだ。気候変動への対応を企業に求める投資家団体「Climate Action 100+」から、温暖化ガスの削減目標などと経営陣報酬との連動状況を開示するよう求められていたことに対応した。
③オムロンは役員報酬のうち、中長期の業績に連動して株式報酬で支給する部分に外部評価機関からのESG評価を反映させる。コニカミノルタも役員報酬の年度業績部分を算定する際、ESGなど非財務的な評価を加える取り組みを始めている。
感想
株式や債券でESGを基準にする投資額が31兆ドル(約330兆円)と巨大化してきてます。
ESGとは、「Environmental(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(企業統治)」の頭文字をとったものです。
10年ほど前はSRI「社会的責任投資:Socially Responsible Investment」と言われる投資法がありましたが、環境や社会的責任だけで利益が上げられるのかと疑問に思われすたれ、最近発展形としてESGが出てきました。
個人的には良い取り組みだと思いますが、実際に投資で機能するのかは疑問が多いと思います。
例えば2017年に不祥事を起こした神戸製鋼は直前までMSCIジャパンESGセレクトリーダーズ指数では上位に格付けされていました。
そのほか不祥事を起こした会社も同様で事件、事故が起こってから格付けが下がるというように事前には定性面評価が機能したとは言えません。
やはり、株を購入する際に重視するのは企業決算であり、数字がまず第一だと思います。
その上で購入対象になる企業が企業としてESGをどのように捉えているのか、評価がどの様なランクになっているのかを見るほうが良いと思います。
悪い言い方をすると、業績が今一つでも評価機関に対して高い得点をとれるよう指導を受ければ業績が悪くてもESG上の格付けだけは高く取れてしまう可能性もあります。
また、証券会社の投資信託でESGを看板に掲げたテーマ型ファンドを目にしますが、ESGへの取り組みがいいから儲かる企業ではないこと、評価する基準がまだ歴史が新しく、本当に企業の正しい姿をとらえているかはまだわからないことを念頭に置いて検討したほうがいいです。
2006年ごろはSRIを看板に掲げたテーマ型ファンドがはやりましたが、結局市場の下落に耐えられず、投信の基準価格も下落、すたれた歴史があることも忘れてはならないと思います。