現役金融マンM氏の金融・投資本研究

投資に関する情報・書籍の感想を発信しています。投資に関する書籍は著者によってスタイルは様々です、私のブログがきっかけで本を読み、独自の投資スタイルを学ぶきっかけになればと思い始めました。

7冊目難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください/山崎元、大橋弘祐

現役金融マンMです。投資本研究の紹介7冊目は、

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください/山崎元大橋弘

です。

 

全体の構成は

はじめに 大橋弘

①お金を安全にもっておく編

②ちょっとリスクをとって運用する編

③お金を使う編

④トクする制度を使って実際に運用してみる編

⑤年金と確定拠出年金

まとめ 結局やること

おわりに 山崎元

となっています。

編集者の大橋さんと山崎先生の会話形式のやり取りとまとめで進んでいくのでとても読みやすい本です。

著者紹介

大橋弘祐さんは13年間大手の通信会社に勤務されていましたが、本にかかわる仕事をしたいという希望を捨てきれずに退職なさった37歳、独身です。

退職金と貯金合わせて500万円保有です。

 

山崎元さん東京大学卒、三菱商事、投信運用会社、保険会社、外資系証券会社など12の金融関係の仕事を経て、今は楽天証券の客員研究員兼大学の先生。

 

話は投資の全くの素人である大橋さんが、山崎先生に運用を教えてもらうスタイルで進行します。

①お金を安全にもっておく編

ポイントは

個人向け国債の運用がリスクが一番少ない。1年たてば直近1年分の受け取り済みの利息を支払えばいつでも元本割れなく解約ができる。

購入はネット証券銀行を使ってはいけないカモになってしまう。

大橋さんは山崎先生が楽天証券勤務にもかかわらずSBI証券で口座を開きます。

 

②ちょっとリスクをとって運用する編

老後の資金として1億円ないといけないという文句は金融機関の宣伝文句であって実際は全く違う。

年金プラス1万円の生活をするならば30年間として360万円、プラス2万円なら720万円といった金額。

体も衰えて消費できなくなるのに1億円も貯める必要は全くない

運用自体の必要性はインフレ対策にあるとして、実践することを勧めています。

外貨預金は手数料が高いのでダメ個別株式投資のトレーディングは車の免許しか持ってないのに戦闘機に乗るようなものなのでやめたほうがいい、FXもREITも買わない投資信託を買うだけで良い

また、投資信託の選ぶポイントは

①運用管理費用(信託報酬)の安いものを選ぶ

②販売手数料の安いチャネル(ネット証券)で買う

③毎月分配型を選ばない

④ファンドの資産規模・流動性を確認する

⑤過去の成績で選ばない

で、山崎先生は

A 上場インデックスファンドTOPIX(国内株式の投資信託

B ニッセイ外国株式インデックスファンド(海外株式の投資信託

のみでいいと書いてます。

世間で主流のファンドマネージャーが選ぶ投資信託は、過去の成績が良いといって将来も良いわけではないし、手数料も高いから不要だそうです。

また、売却するときに損益を優先して必要な支出をケチることはしないようにとも書いてます。

③お金を使う編

マイホームは不要、賃貸がよい。借り入れで新築マンションを購入すると、業者の費用が30%くらいある上に金利支払いがある、少子高齢化を迎える日本では買わないほうがいい、もし買うならばローンはできるだけ早く返済すること。

医療保険は国に高額療養費制度があるので入る必要はない

生命保険は自分が死んだら家族が路頭に迷う人だけ家族の人数×1000万円位の死亡保険を掛け捨てでネット保険に入る程度でよい。

保険は手数料の体系が契約者から全く見えない金融商品なので極力入らないほうがよい。

④トクする制度を使って実際に運用してみる編

NISAの紹介、非課税枠は積極的に活用したほうがよい。

資産配分として

A安全に運用したいお金

Bリスク運用資産

C当面の生活資金(3か月分)

に分けて、自身のリスクをどのくらい受け入れられるかを考えて配分する。

積立投資は手元にお金がある場合は必要がない、わざわざ手元のお金を長期で寝かせるほうがもったいない。やるときは一気に投入

リスク運用資産は国内と海外は50:50の比率。

その後は貯金できるごとに国内と海外の比率を50:50になるように買い足していく。

⑤年金と確定拠出年金

確定拠出年金は長期で非課税の運用ができるので積極的に活用するべし。

運用はインデックスファンド。もし、リスクを更にとって運用するならば新興国のインデックスファンドを加える。

そして最後はもっとも価値ある資源は自分、一生働くと何億円も稼ぐので、まじめに働くこと!と締めくくってます。

 

感想

この本はこれから資産を作っていく人が読むといいと思います。

また、金融に対してとことん研究するのではなく、置いておくだけでいいといスタイルの人には参考になると思います。

おわりにで山崎さんは余計なものを説明しないでポイントに絞ったと書いてあって、これ以上の投資成果を望む人はもっと違う知識を身に着ける必要があると思います。

預金の代わりに個人向け国債、運用は日本株と外国株のインデックス運用のみ、場合によって新興国株のインデックス運用のみで良いと言われると金融機関は困ってしまいますが案外これだけでも結構いいパフォーマンスを上げられると思います。

まず、手元の資産をある一定程度まで増やすにはこの方法でじっくりやってから次の段階に入るのがいいかもしれません。

最後に、もっとも重要なのはリスク性の投資を行う資金がどの位の割合ならば大きな下落が起こっても精神的に耐えられるかをよく考えることだと思います。

せっかく増やそうとしても下がった時に不安になって途中で損失で売却してしまい、その後の回復で後悔する人が後を絶ちません。

まずは何を購入するよりも、配分割合を考えることが大切だと思います。

「継続は力なり」です。