現役金融マンM氏の金融・投資本研究

投資に関する情報・書籍の感想を発信しています。投資に関する書籍は著者によってスタイルは様々です、私のブログがきっかけで本を読み、独自の投資スタイルを学ぶきっかけになればと思い始めました。

日々の投資手法研究26-2 ETF

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43767110V10C19A4EE9000/

日中ETF相互上場 市場拡大狙う

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43748900V10C19A4MM8000/

日中ETF、相互上場へ: 日本経済新聞

それぞれの記事のポイント

日中ETF相互上場 市場拡大狙う

①日本のETFの総資産残高は約37兆円。米国(412兆円)や欧州(90兆円)に大きく水をあけられている

日中ETF、相互上場へ

①中国では日経平均株価東証株価指数TOPIX)に連動するETFがそれぞれ上海証券取引所に上場する

②中国の個人金融資産の保有額は2023年に82兆元(1400兆円弱)に達する

 

感想

日本にとって外資導入の良い記事です。

また、ETFを国内でより、広める取り組みとも言えます。

日本の投信規模が約60兆円で伸び悩んでいますが、低コストETFが37兆円、数年でこちらが抜くと見ます。

早く金融機関も目先の手数料や信託報酬に囚われてないでETFを真剣に分析して資産運用を広める努力をやってほしいものです。

日々の投資手法研究26-1

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43748990V10C19A4EE9000/

投信運用 テーマ型に依存

記事のポイント

①公募株式投信について2018年度の運用会社別の資金流出入を比較したところ、上位には次世代通信規格の「5G」関連などテーマ型投信で残高を伸ばした運用会社が並んだ。

②毎月分配型の比率が高い運用会社は流出が目立つ。

投資信託協会によると、ETFを除く公募株式投信の純資産残高は3月末時点で64兆1499億円。ピーク時に42兆円を超えていた毎月分配型が23兆円台まで減少しており、この分をテーマ型や海外株型で補っている。

感想

国内投信事情を表している記事です。

相変わらず販売側の都合で投信が組成されている事情が背景にあります。

毎月分配が大幅に減っていますが、一定の理解をした上でこれが良いというニーズも確かに営業していてあるのも事実です。

問題はこれが売れるからと確定利回りの様に言い、販売が加熱した事にあります。

テーマ型ファンドも一定のニーズはあります。

ただ、毎月分配型を補う位の分量なのかというと疑問です。

恐らく売り易いからと販売が加熱している可能性があります。

全体で約60兆円の投信残高で、毎月分配型が42兆円から23兆円に減って、その分をテーマ型と外株ファンドが埋めている様です。

つまり、全体の1/3が乗り換えた訳で回転売買の道具になってます。

販売側の金融機関側からすると投信の入口手数料と信託報酬が欲しいのはわかりますが、一方で日本の投信市場を国民の資産形成の為にどう育てるのか理念が無いのが一番問題です。

その場その場で売れそうだからだけで投信会社に組成させている場当たり的対応に見えます。

なので金融庁の一言で右へ左へとコロコロ方針を変え、言うこと聞く人に乗り換えさせる。

これでは国内投信市場は育ちません。

日本人の金融資産をいかに超長期で育てるか、それにはどんな投信が良いのか、販売金融機関はどんな理念で顧客と接すべきなのか。

これらをもう一度考えないと金融機関に未来は無いです。

日々の投資手法研究25 5G

中国、5G協力呼びかけ きょう日本と経済対話 米の動きにらむ :日本経済新聞

5G競争「米が勝つ」 トランプ政権、民間投資で巻き返し :日本経済新聞

 

本日の日経新聞から5Gについてです

記事のポイント

中国、5G協力呼びかけ きょう日本と経済対話

①日中両政府は14日、北京市で閣僚による「日中ハイレベル経済対話」を開く。日本から河野太郎外相ら6閣僚が参加。

②中国側は次世代の通信規格「5G」の活用を巡り、日本側に協力を呼びかける。米中の貿易摩擦の出口はみえず日本をつなぎ留めたい考え。

③中国が得意とする5Gと、日本が強みを持つ自動車技術を組み合わせた自動運転技術の共同開発や、遠隔医療の技術協力などが議論される可能性がある。

④日本側は「安全保障上のリスクのある通信機器は採用しない」とする従来方針を説明し、知的財産権保護への取り組みを促す。

5G競争「米が勝つ」

①トランプ氏は通信設備工など労働者を周囲に招き、「5Gは300万人の新たな雇用を生むといわれている」とアピールした。

②デロイトトーマツグループの2018年8月の調査によると、5Gに欠かせない基地局数で中国の1万人当たり14.1基に対し、米国は4.7基と出遅れている。

③米通信業界は5Gに計2750億ドル(約30兆円)を投じる見込み。米連邦通信委員会FCC)は12日、地方の5G整備に補助金を支給するため204億ドルの基金を設置し、民間投資の呼び水とする方針を打ち出した。

感想

2つあると思います。

ひとつは中国とアメリカが日本をどちらも味方につけたい思惑。

もうひとつは5G投資がいよいよ米中の国策の本命に浮上してきたことです。

5Gになるとリアルタイムの遠隔操作が可能になったり、大量のデータを一度に送信できるようになって教育、工事現場、医療現場など仕事や生活にも大きな影響を及ぼします。

また、昔から「国策に売りなし」と言われるように国策に乗るのが株式投資の王道です。

四季報オンラインで5Gと検索するとまだ45件しかヒットしないし、銘柄もあまりぱっとしたところは多くないです。

日本人から見ると、日本の5G銘柄と米国の5G銘柄の小型株バブルが来るような気がするので両国の銘柄に注目だと思います。

ご参考銘柄

6754アンリツ

6981村田製作所

6875メガチップス

3040ソリトンシステムズ 

 

   

日々の投資手法研究24 REIT

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43664920S9A410C1EN2000/

【ポジション】REIT、危うい楽観論:日本経済新聞

記事のポイント

①日本の不動産REITが1900ポイントに一時乗せるほど上昇中

②牽引役は外国人投資家

③理由は2つ

1つは日本の不動産REITシャープレシオが低いこと

2つは日米金利

④日銀がマイナス金利を導入して3年程度だが、日本人から見たら7%上昇に過ぎないが米ドル建て指数にすると27%上昇している

感想

中々複雑な記事なので解説します。

まず、シャープレシオとは一定期間の対象資産の収益率を変動幅すなわち標準偏差で割って求める指数です。変動が小さい割に収益率が高い資産は安心して投資ができるので買いやすいです。2018年1年間で新聞はデータを出しているようです。

これだけでみると確かに日本の不動産REITは変動幅が最近は小さいので効率的な投資になります。

次に、米国投資家からみた金利差ですが、米国投資家はドルを保有しています。

日本の資産を購入するには当然円に換えて投資をする必要があります。

彼らは手持ちのドルを円に換えて日本の不動産REITを購入します。

ところが、彼らからするとドルを円に換えると為替リスクを負うことになります。

そこでリスクを回避するために円に換えた金額と同額分を先物で円を売ってドルを買う取引を裏側で行います。為替ヘッジ取引と言います。

お互いが動きを打ち消しあうので為替リスクが無くなります。あとは不動産REITの変動リスクのみになります。

さらに、為替ヘッジ取引はお互いの金利差分も費用として交換されます。

今は日米金利差が約3%なので、この金利分に相当する差額を受払いする必要があります。

外国人投資家からみると、為替ヘッジ取引で円を売ると、マイナス金利の円売りになり、マイナス✖️マイナスがプラスになり、さらに米ドルの金利も受け取れるので日米金利差分がドル側の収入になります。

加えて日本の不動産REITの配当金と値上がり益も享受できます。

また、2016年初頭は1ドル120円近かったので今はドル安状態なので外国人投資家からみると為替差益も発生してます。

外国人投資家からみると

1、日米金利差分の利益

2、日本の不動産REITの配当、値上がり益

3、ドル安の利益

万々歳な投資になるわけです。

背景は世界的な金余りで投資対象が減ってきており、米国投資家もドル預金を更に利回り稼ごうとして、世界的にみて小さな日本の不動産REITにまで目をつけ出している点。

日米金利差が為替ヘッジ取引を行うと米ドル側に利息をもたらすので、マイナス金利分も上乗せされ、利回りがアップする。

という事情です。

足下はFRBが緩和状態を放任しているので利回りを求めるドルが買い続けて新聞にある2000ポイント超えもありそうです。

ただ、何か世界的なリスク要因が発生したり、FRBや日銀が方針を転換すると米国投資家は周りの細かな取引は一気に売却して回収に走るので世界的にみて小さな日本の不動産REITは大幅に下落するリスクをはらんでます。

そうなるとシャープレシオも悪化するので更に売却は加速します。

金余り現象が産んだ危うい取引の1つですね。

日々の投資手法研究23 スマホ保険

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43627830R10C19A4EE9000/

【イノベーター】スマホ落下回数、保険料に反映:日本経済新聞

 

記事のポイント

スマホの保険を販売しているジャストインケースという千代田区の会社の紹介

スマホで申し込める、落とした回数を数えて丁寧に使う人は割引く、平均3割保険料割引

③社長の畑加寿也社長が海外論文でスマホ内のジャイロセンサーで落とした回数を数えるのを読んで実用化

④大企業とも組んで7000万件の診療データを解析中、病気と健康の発生リスクを出して個人ごとの保険料設定を目指す

感想

フィンテックの流れが保険に来ている例の一つですね

スマホの保障は人によってだいぶ差をつけた方が良いですね。

良く画面割れてる人とかみると、この人の分も負担するのは嫌だなと正直思います。

モノを大切にしない人からは高く、大切に使う人からは安くが当然ですが、今後は数値化して保険料に反映できるなら良いですね。

生命保険も、今まではアバウトに年齢で出してたりしていたのを細かく解析して保険料に反映できると尚良いと思います。

生命保険こそフィンテックでコスト削減できる大本命だと私は思ってます。

良く、保険の3利源、費差益、死差益、利差益といいますが、まず、フィンテックで死差益が限りなく無くなります。

また、費差益もアプリで皆が入るようになれば営業の人もいなくなるから小さくなります。

生命保険は低くても5-10%、高いと20-30%の手数料が内包されてるし、税制のスキマを突くような余り生命保険の目的を達成しなさそうな商品も多く、フィンテックで透明になって欲しいものです。

もう一つ、中々難しいけどやって欲しいのは毎月の健康保険や年金なんですが、国はムダが大好きだから中々時間かかりそうですね。

 

日々の投資手法研究22

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43537340Z00C19A4XY0000/

本日の日経新聞からです。

好きな時、好きなだけ仕事:日本経済新聞

直接会社が上場していたり、投資のやり方みたいなものでは無いのですが、面白い取組なのと社長が19歳ってのも良いなと思って取り上げました。

記事のポイント

①特定の組織や時間に縛られずに働きたいニーズのマッチングアプリでワクラクというのがある

②例として主婦の方が出ていて、週に2日、10-15時くらいで3-5時間、40箇所くらいで様々な仕事をアプリでみつけて月収4万円くらい

③主婦、学生、フリーターが主な利用者で登録者数はスタートから1年で約5万人

④社長の谷口さんが高1の時にアフリカのセネガルで1カ月暮らした時に、日本人に比べて豊かでは無いがゆったりと生活する現地の人と日本人のあくせくした姿を比較して、もっとゆったりと生活できないかと感じた。

帰国後に様々な経営者やフリーターなどと話をしてITで日本を変えられるかもと思い高2の時に休学して設立

⑤マッチング成立した際に報酬の10%を収益としているが、まだ赤字、10万人目標

⑥会社に所属しながら好きな時に働く選択肢を提供

感想

アルバイト紹介アプリより更に細分化された仕事を紹介するアプリですね、気づいたのが高校生で、アプリ立ち上げで会社作ってしまうところで時代が変わったのを感じます。

平成になりたての時は何の仕事をして、どのくらい遅くまで働いてるかが一つのステータスだった訳で、谷口さんの考え方は全否定でした。

人材派遣会社などからみると単価が安いので取り組みにくい分野ですが、アプリで人員を割かないサービスだから成立する仕事だと思います。黒字転換して欲しいですね。

主婦でスキマに何かをしたい、副業で少し稼ぎたいとか、フリーターの更にもうちょっと稼ぎたいニーズはあるので広がりそうです。

副業に対する意識変化もありますね、昔は罪悪感があるものでした。

色々な選択肢を選べる時代になりましたね。

日々の投資手法研究21

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43476620Y9A400C1EA2000/

英とEU「合意なき離脱」緊急措置 判断期限は12日: 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43478670Y9A400C1FF8000/

与野党折り合えず

 

記事のポイント

英とEU「合意なき離脱」緊急措置 判断期限は12日: 日本経済新聞

①離脱期限が12日に迫る

欧州議会はイギリス人が90日未満ならEU域内を自由に行き来できるようにした

③在英EU出身者はEU市民資格を取得する動きが、英国内で就職の際に必要なため

④懸念は物流の停滞

⑤金融は1年間は現状維持の決済制度を利用

⑥在庫を今の内に増やす動きも、代表品はトイレットペーパー

与野党折り合えず

①期限を6/20迄伸ばしたいメイ首相

②国内で離脱賛成、反対派双方の意見調整難航

EUもトゥスク大統領が1年延期を提案するが、仏マクロン大統領は反対

感想

今のところ経済的には影響は小さいです。

金融市場ではどちらになるかわからないし、まさか不合理な強行離脱にはならないだろうとしている意見が多いです。

と、いうよりかは強行離脱の場合のシナリオがわからないから考えないだけの気がします。

経済的だけならそもそもEU離脱はイギリスにあまりメリットは無いです。

でも、国民投票で決まってしまった以上政治家はやらないといけません。

しかし、離脱派も明確な方針を元から持って無いし、経済的な感覚を持って無いので話し合いになってない状況です。

一度強行離脱になった方が円高、株安が来るでしょうが、ポンドはともかく、米ドルや株式を購入する良い機会になりそうですし、その後のイギリスの混乱と衰退を見ると他のEU域内の離脱派も大人しくなって結束力が出るので経済的には良い結果になりそうに思えます。

いつまでも延期してグズグズしてるのが一番良くないです。